南房・傳良丸のアカムツ2004.10.8

8日の朝の南房和田港は雨もなく、アカムツ釣りには絶好の陽気、かと思われましたが、台風の前兆か、前線の影響か、釣り場へと向かう船は多少揺れていました。
といっても潮をかぶるほどではなく、釣りにはまったく影響ありません。

ポイントは240〜210mへとなだらかな状況です、潮はあまり効いていないとのこと。
それでも時間の経過とともに道糸はどんどん出て行きます。

第1投目からタハラッチに小型のアカムツが食ってきて、毎回のように誰かの仕掛けに食いついてきます。
タハラッチの小型アカムツ
小型も少し混じりましたが、ほとんどは1s前後の良型。水温が高いのか、大きなゴマサバがオマツリを誘発します。

やがて雨が落ちてきて、次第に強くなり、波も高くなってきました。
漁業無線は台風の接近を知らせていて、漁船は次々と避難を開始しているようです。
まだまだ食いが続いていたのですが、後ろ髪を引かれる思いで納竿。帰港しました。

傳良丸のアカムツは好調ですよ。

・・・

傳良丸のアカムツのコツ

仕掛けはあまりごつくないほうが無難ですが、外道のサバは付き物。細仕掛けだと毎回チリチリになってしまいます。
張りがあって、多少のチリチリだったら濡らして軽くこすればピンとなるディーフロンの8号、半ピロがおすすめ。ミキ糸は同じディーフロンの12号なら耐久性も抜群です。

枝間は1ヒロで、最上部は1m。オモリをつなぐ糸は8号半ピロ強で良いでしょう。
5本バリをクレン親子サルカン3×4で接続します。

ハリは細地のネムリ16〜18号。タハラッチは下田漁具の16号を愛用していて、今回もこれで釣果を伸ばしました。
蛍光玉、タコベイトなどはサバを呼ぶのでつけませんが、道糸との接続部に、小型の水中ランプをつけると効果的です。

エサはサバのタンザク。ほとんど皮だけというくらい薄く身を残して、幅1cm弱、長さ7〜8cmに切ります。もちろん最初は持参した物を使いますが、現地調達した新鮮なサバを刻んだほうが圧倒的に有利ですから、良く研いだナイフは必需品ですよ。
船頭が刻んでくれますから、外道のサバは捨てないことです。

ここのところ潮が速かったため、300号のオモリを使いましたが、この日はさほど行ってはいません。2投目からは250号に変更しました。
水深240m前後を狙いますから、潮流によって使用するオモリが200、250、300号と変化します。ちょっと重いですが、準備は怠りなく。
また道糸も最低350mは必要。タックルの準備は万全にしたいですね。

タハラッチは例によって何本かのタックルをセットして持参しました。
メインはガオバイパーTとタナコンブル750で、棚センサーブライトの8号を500m巻いてあります。
これはアカムツだけではなく、マダラや伊豆諸島周りのライト泳がせでも十分に威力を発揮する組み合わせです。

この日は潮があまり速くなかったのでこれでも良かったのですが、ここだけのワンポイントアドバイス。先鋭剣崎120号2mに、棚センサーブライト5号400mを巻いたシーボーグZ500FTなら水切りも良く、穂先感度も抜群です。
追い食いはもちろん、アカムツとサバの食いの違いもたちどころに感知して、釣果を伸ばすことができますよ。

最大の決め手はエサ付けとタナ取り。
タンザクの中心線上のできるだけ端に、脱落しないように刺すのはどんな釣りでも共通したことです。
エサが回ってしまうとハリスに縒りがかかります。こうなったら食わないと思ってください。
外道が掛かってハリスが縒れたら、すぐに結び変えてください。スペアのハリスを何本か用意しておくとスムーズです。

ちなみにタハラッチはこの程度の胴付き仕掛けを使うとき、ミキ糸だけを何組か持参し、ハリスは別に用意しておいて、船上で親子サルカンに接続します。
そのためにはマグネット板があると便利ですよ。

スムーズな仕掛けの投入も大切ですね。
もたもたしていると途中でサバにつかまります。
竿先を海中に突っ込み、糸送りをフル活用すると効果速度がすこぶる速くなります。
Daiwaの電動リールならではの機能ですからぜひ駆使してください。

オモリが着底したらわずかに底を切ります。
船の揺れでオモリが海底をトーントンと叩くのです。
次第に仕掛けが浮き上がってきますから、こまめにタナを取り直して、道糸を送り出します。
この海域ではほとんど根掛かりしませんが、弛ませてしまうとアタリを見逃したり、オマツリを誘発しますから気をつけてください。

300m近い深みからのアタリは微妙です。
アカムツのビビッという魚信を感知したらすぐには巻き上げず、そのまま追い食いを待ってください。
タハラッチはリールの前から道糸を引っ張り出して、少しずつ送り込みます。
ということはドラグテンションがはその程度ということ。ほとんどの釣りではドラグの締め過ぎは不正解なのです。

今回はグラビア取材でしたからHPでの核心の写真掲載はなし。
湯澤さんが撮ってくださったタハラッチの写真だけにしておきますが、これは初っ端に釣った最少のサイズ。
今後釣行される方はもっと大きな型を期待して大丈夫ですよ。
湯澤さん、ありがとうございました。

雨と高まってきた波にたたられて早上がりしましたが、船中14尾の釣果はまずまずのもの。その中で撮影しながらの6尾は、こうして釣ったというアドバイスです。

苦労の末、1s超の良型を仕留めた人もいましたし、最初から最後まで誰かしらがアカムツを食わしていました。楽しめましたよ。
今が絶好のチャンスですが、傳良丸はほとんど予約で埋まっています。
11月からはベニアコウが解禁となるので週末はやはり満船ですが、平日なら1月ごろまで狙えますので、絶妙な味覚を釣りに行ってください。
ほかの船とはひと味もふた味も違うのはタハラッチが太鼓判を押します。

昨日、9日は鮨と煮付けで今季の初物を食べました。
上品な脂の乗りと柔らかながらしっかりした身の歯触りが絶妙でした。
今日は孫たちと一緒にアカムツパーティーを味わう予定です。


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