アキアジ釣りの魅力はたくさんあります。
その中でもっともうれしいのが、手作りのイクラの醤油漬けを、腹いっぱい食べられること。
その作り方もさまざまで、いろいろ試行錯誤を繰り返してきました。
その結果、今ではこの方法に辿り着きました。
かならずメスをさばきます。
イクラはサケの卵のこと。オスの腹の中には白子しか入っていません。
白子も旨いのですが、やはりイクラの醤油漬けにはかないません。
イクラは被膜に包まれた状態で腹の中に納まっています。
それを筋子とも呼びます。
腹を裂いて、イクラを傷つけないよう取り出します。
生きているサケの腹を裂くと、粒状のイクラが飛び出してきます。
産卵時には筋子の状態ではなく、一粒ずつのイクラが産み付けられるのですから、当然のことです。
ちなみに川に遡上したサケをその場でさばき、イクラに川の水を触れさせると固くなってしまいます。
オスが射精した精子が川の水に含まれているので、受精するのです。
海で釣って、船上で開けばOKですが、この場合、後述するように問題点もあるのです。
手を入れたらちょっと熱いかなと思えるくらいのお湯を注いで、泡だて器でかき混ぜます。
生ものですが、お湯に浸しても大丈夫ですよ。
掻き混ぜると、写真のように筋子の被膜が泡だて器にくっつきます。
この被膜をきれいに取り除くと、旨いイクラの醤油漬けができるのです。
泡だて器には被膜がくっついていて、ザルに取ったイクラは一粒ずつ分離されています。
鍋にお湯を沸騰させ、その中に水洗いしたイクラを入れます。
この湯通しの工程は、最初にお湯の中でほぐした場合は省いてもOKです。
ラケットや餅網などでほぐしたときは、湯通しするほうが無難かもしれません。
鍋に入れたら即ザルに取ります。
熱湯をくぐらせるのはほんの一瞬だけ。
くれぐれもに過ぎないように。
2秒も3秒も煮てしまうと硬くなり、旨さが激減します。
ちなみにサケはイクラでも刺身でも、生のままで食べると、体質によっては当たることがあります。
赤ん坊でもこうした症状がまったく現れないことがありますし、大の大人でも当たる人がいるのです。
いったん湯通しすればほとんどの人は大丈夫なはず。
毎年このようにしていて、何の問題もありませんでした。
これはタハラッチの経験によるものですから、この詳細につきましては専門家にお尋ねください。
ふたたびザルに取り、氷水で冷まします。
湯通ししたあとは白くなりますが、しだいにピンク色が戻ってきます。
しっかり水を切ったら容器に移し替え、醤油を注いで冷蔵庫でなじませます。
あまりたくさん醤油を注ぐと、しょっぱくなります。
また味醂は入れない方がいいですよ。
1、2時間できれいな色になり、おいしくいただけます。
3日くらいはこのままいただけますが、長く漬けておくとしょっぱさが増しますので、気を付けてください。
なお正月用などしばらく経過してから食べたいときは、腹から取り出した筋子をそのままジプロックに入れて冷凍保存。
食べたいときに解凍し、上記と同じ手順で作ります。
ジプロックに入れて冷凍した筋子を自然解凍し、
上記と同じ方法で醤油漬けを作りました。
解凍に要した時間は4時間ほどでした。
醤油漬けにして30分ほど冷蔵庫に入れたら下記のようになり、
そのまま夕食でいただきました。
これなら好きな時にイクラがいただけますよ。
自然解凍する時間がないときは、
ジプロックのまま水を張ったボールなどに入れ、
水を流すと早く解凍できます。