寒さの訪れとともにカワハギ釣りの最盛期に突入する。カワハギ釣りといえば数を競う釣り競争が主流だが、魚大好きのタハラッチとしては、パンパンに張った肝を釣って味わいたいのが最大の目的。だからできるだけ大型を狙いたい。そのために心掛けていることは、大きめのアサリをいちばん上バリに刺し、基本を無視してやや高めのタナを攻略すること。竿頭は狙うことはできないとしても、この戦法には必ず大型が食い付いてくれるから、あながち的はずれというわけでもないに違いない。
昨日もみごと26cm級を仕留めてご満悦。刺身の肝和えと煮付けを堪能した。いちばん上に置いてあるのが最大のカワハギ。ビギナーへのレクチャーとアオリイカを狙ったためほとんど竿を出す間がなかったのだけれど、良型中心にツ抜けは果たしたのだからまずまず。アオリイカもスミイカも掛かってこなかったのはちょっぴり残念でした。
カワハギのさばき方にはさまざまな流儀が見られるが、最も簡単なのがツノの後に包丁で切れ目を入れ、グイッとちぎってしまうと頭に内臓がくっついてくる。肝をつぶさないようていねいに肝を取り出し、ワタを取り除いて皮を剥げばあらかたの作業は完了する。
左側が背ビレから糸を引いている♂で、右が♀。 | 頭の皮も剥いでみそ汁の具に。 |
肝を包丁で丹念に叩いてペースト状にし、味噌や醤油とあわせて身を和える。
おっとその前に、肝は熱湯を潜らせて瞬間的に加熱し、氷水で完全に冷まして水気を拭き取ると、生臭さがまったく気にならない。
タハラッチは醤油和えが大好き。普通は醤油和えに刺身をまぶして食べるのだが、叩いた肝に醤油をさし、グルグル掻き混ぜて熱いご飯で食べるのもいい。
外側の皮は簡単に手で剥がせるが、刺身にするときは薄皮が気になる。
3枚におろしたら立ち会い骨を取り除き、サクにする。カワハギは小さいから見映えはしないが、大きく造りたいときは縦にすると良い。
柵取りした身の薄皮のほうを下にしてまな板の上に載せ、薄皮を残すように身を削ぎ切りにする。
カワハギの身が半分浸るくらいの量の清酒を鍋に注ぎ、だし昆布を入れてひと煮立てする。味醂と砂糖を適量加え、醤油を薄めに注いで煮立て、煮汁が全身に回るよう落としぶたをする。木の落としぶたがなければアルミホイールに穴をあけて被せるのも効果的。できればだしの素を少し加えると味がまろやかになる。できるだけ水を使わず、酒を大量に活用するのが舳流の魚料理の極意だ。
もちろん腹の中に蓄えた肝も一緒に煮る。
叩いた肝に醤油をさして刺身をまぶす。 | 水の替わりに酒で煮込み、薄味に仕上げる。 |