ごめんなさい。容量がまだ足りていると思っていましたが、ダメでした。オプションで増量しますが、プールしてある写真を掲載できるのは月曜日以降になりそうです。ご了承ください。
深紅の装いのキンメダイはみごとなまでに美しく、その身に火を通すとまさに純白そのもの。深海の舞姫の名にふさわしく、姿形ばかりかその味わいもすこぶる良い。
真っ赤な皮と真っ白な身のコントラストは水炊きの彩りに最高で、上品な身から醸し出されるコクの深さは魚ファンを唸らせてくれる。そんなところから鍋の食材としての人気もうなぎ登りだ。
色鮮やかなキンメのちり鍋 | ポン酢醤油で味わう水炊きがいちばん |
ちり鍋、寄せ鍋のほか釣り人ならではのおすすめがキンシャブ。3枚に降ろした身からはきっと血合い骨は4本しか検出されないはずだから、骨抜きで取り除き、腹骨もすき取る。
皮付きのまま薄く削ぎ切りにし、中落ちなどのアラでだしを取った鍋の中でシャブシャブ湯煎。ポン酢醤油に紅葉おろしとアサツキを散らしたつゆにほんの少し浸して口に運べば絶妙な味わいが口の中いっぱいに拡がり、至福のひとときに浮き世の雑念などすべて吹き飛んでしまう。
キンシャブはポン酢醤油に紅葉おろしで | シャブシャブ湯がいて味わう |
薄く削ぎ切りにした身を特製の醤油ダレに漬け込んだのがキンメのヅケ。そのまま刺身で味わって良いが、鮨飯とうまく合うので、にぎり鮨やヅケ丼がおすすめ。キンシャブ同様、子供たちにも大歓迎されるのは間違いない。
特製ダレは醤油に粉ワサビをたっぷり入れて掻き混ぜるだけ。練りワサビだと辛すぎるので粉ワサビを醤油で溶くのが決め手だ。ワサビの色が醤油と溶け合って、ほのかな鶯色に変わるかどうかくらいたっぷり入れるとコクが増す。1〜2時間ほど冷蔵庫で漬け込めば食べごろとなるが、料理の手順で長く漬けなければならないときには、塩辛くなりすぎないよう煮切り酒で薄めると良い。
キンメの刺身 | キンメの削ぎ切りはシャブシャブやヅケに |
キンメのヅケのにぎり鮨 | キンメのヅケ丼 |
キンメといえば定番は煮付け。舳亭ではキンメの煮付けに水は使わない。たっぷりの清酒を煮切ったら味醂、砂糖、醤油を注ぎ、これにだしの素をやや多めに入れる。この中にキンメの切り身やカブトを入れ、4、5cmに切りそろえたゴボウと一緒に弱火で20分ほど煮詰める。
メバルやカサゴは薄味の煮付けが似合うが、キンメは甘みの優った濃いめの味付けが良い。昆布を使うと味がぶつかってしまうので、タハラッチは敬遠している。
濃いめの味付けの煮付け | ゴボウと一緒にカブト煮 |
新島沖などの地キンメは2kg級の良型そろいだが、ときには小振りが食うこともある。そんなときは背開きにして塩水に浸し、一夜干しにする。これなら冷凍保存が利き、凝縮された旨さを長い間にわたって味わうことができるというもの。重宝する。
塩水の濃度は10%前後。濃さによって20〜30分程度、比較的短時間だけ漬け込んでから干し網の中で干し、水っ気が抜けて表面が乾いたら出来上がりだ。
深海の舞姫キンメダイ | 小振りのキンメは開きに |
TOPへ