マグロ三昧の毎日が続いて、ちょっとのんびりしすぎたかもしれません。
15s級のメジですが、さすがこの時季だけに脂が乗っています。
胸ビレと背ビレをこそいで5枚におろし、頭をカマごと落します。背身と腹身はそれぞれ柵取りできるくらい、15〜20cm幅のブロックに切り分けて皮を引きます。
自家使用分は皮付きのままのほうが良いのですが、分けてあげるときはきっと皮が邪魔なはず。
なんちゃって。じつは皮は塩と酒を振りかけて網焼きすると抜群に旨いのです。
魚屋さんや料理人でも知らないマグロの料理があるんです。
柵取りして引いた皮は、うっすらとついている身をこそぎ取るくらいでほとんど捨てられているはず。
ところがこれが絶品。
身がついたまま網焼きするんです。
清酒をかけて塩をパラッと振っただけのシンプルな味付けですが、ともかくお試しください。
大トロが少し、中トロがほとんどで、赤みが少ないのが残念な限り。60s以上のマグロだと赤身も増えてきて、100s、200sという大マグロだと、あの真っ赤な赤身が味わえるのですが、こればかりはいたし方ありません。
キッチンペーパーでくるんでからラップで覆い、パーシャルで寝かせます。
こうして保存した柵を刺身で味わいましたが、4日目から5日目がいちばん旨く感じられました。
もちろん生臭さやマグロ臭さは微塵もありませんでしたよ。
皮はすべて塩を振り、焼く前に酒で洗って再度振り塩。ところによってはウロコが気になりますが、おおむね美味しく食べられます。
カマはやはり塩焼き。カブトも真っ二つに割って塩焼き。本当はそのまま焼きたいのですが、我が家の調理器具では持て余してしまいます。
目を傷つけないよう、そしてその周りについている身を残して切り取り、アルミホイールでくるんで焼き上げます。
身も抜群に旨いのですが極めつけは目。ゼラチン質の部分や周りのブヨブヨの身はえもいわれぬほどの旨さ。この年にはなりましたが、少しだけ頭が良くなったような気がしています。
柵取りしたりブロックに切った身は何軒かに配りましたが、尻尾のほうは1cm厚の切り身にして味噌漬けとフライ。カラシを白ワインで溶いて切り身に塗りたくったら小麦粉をまぶして溶き卵にくぐらせ、パン粉をまぶして普通のフライと同じように揚げます。
ピリッと効いたカラシがマグロの身と旨くあい、絶妙な料理に変身するはずです。
あっそうだ、忘れるところでした。
中落ちやすいた腹骨についた身はスプーンでこそぎ取ります。
これに小ねぎを刻んで混ぜると、トロや赤みが入り混じって絶妙なネギトロ。旨すぎて食が進み、カミさんともども太るのではないかと心配するほどでした。
マグロのカブト焼きが大きな萩焼の器に乗っています。
さすが萩の宿だけのことがありますね。
このカブト焼き、大きなオーブンがあれば良いのですが、普通の家庭にはこんなに大きなカブトが焼けるようなものはないですよね。
これだけの焼き色が出ないのは残念ですが、味のほうは抜群の焼き方があるのです。
カブトをスッポリとアルミホイールで3重くらいに包んで、直火で焼き上げるのです。
大きさによっては1時間では焼ききれないと思います。
そのうえ滴った脂が燃えるので煙がもうもうと立ち込めます。
間違っても室内で焼くのだけは止めたほうが良いですよ。
でもしっかりと時間をかけて焼き上げれば、頭の良くなる目玉だって、美味しく食べられます。
自分で釣ったクロマグロのカブト焼きなんて、考えただけでも身震いしてきますね。