タハラッチのプロフィール
故日暮修一画伯が「首都圏・凄腕船長の釣り宿33」の表紙のために描いてくださったイラスト。すっごく気に入ってます。
1944年10月長崎県佐世保市生まれ。
フリーのフィッシングライター、ダイワ精工フィールドテスター、舳会会長。
1990年からはプロの釣り師を宣言しております。
釣り師であって漁師ではありません。
ちょっと判りにくいかも知れませんが、釣った魚を売るのではなく、
釣りをして生計を立てているということです。
「大物釣り上げガハハと笑う
マダイ、シマアジ、ヒラマサ、カンパチ
どんとおまかせ沖釣りならば
夢とロマンを求める釣り師」
これが田原のキャッチフレーズ。
旨い魚を釣って食べるというスタイルで楽しい釣りのプロデュースをしています。
妻、息子、娘が各1名ずつと、孫は男1名、女3名。
東京都足立区在住。
舳流の大物釣りって何だろう。
釣りってかなり曖昧。難しい規則もほとんどなく、楽しく釣れればそれで良しというおおらかな遊びです。それだけに楽しみ方は10人十色というより千差万別。それぞれの人にそれぞれの楽しみ方があるのだと思います。
ですからもちろん大物の定義なんて、端からありません。当然のことながら比較的大きなものを指しますから、大物釣りといえばだいたいがブリ、カンパチ、ヒラマサ、クエ、マハタ、イシナギ、マグロなどを指すことが多いようです。
舳会を設立するとき、おおざっぱな釣りのスタイルを提示する必要に迫られ、食べて美味しく、なおかつ10kg以上に育つ魚を舳流の大物と決めたのです。
そこでセレクトしたのがマダイ、シマアジ、ヒラマサ、カンパチ、ハマダイ(オナガダイ)、ブリ、メダイ、アラ、マダラ、ヒラメ、クエ(モロコ)、マハタとその仲間、オオサガ(ベニアコウ)、ムツ&クロムツ、サケとその仲間、クロマグロとその仲間の16魚種。独断と偏見に充ちているかも知れませんが、イシナギは準大物で格下となっていました。
舳会ではこれらの魚を釣ることを第1の目標においてメンバーでポイントを競い合い、年間トータルでもっとも高ポイントを獲得した会員を表彰。舳会大物釣りコンテストの優勝者として讃え、副賞を授与しております。
小さな魚は釣らないのかっていうとそうではありません。もともと魚っ食いが高じて釣りにのめり込んでいるわけですから、旨い魚には目がありません。とくに好きなのがマサバ、アカムツ、アカカマス、アカハタ、オニカサゴ、アマダイ、ベニアコウ。赤のつく魚が並びましたが、アカタチは遠慮したいですね。
というのも、数釣りはあまり好きじゃない。ハゼを500尾、イサキやアジを束釣りなんてやってしまうと、釣っているときはおもしろくて夢中ですが、あとがたいへん。何日もかけて、活きの悪くなりかけた魚を友人知人に配って回る。ひところは人並みに数釣りもしていたこともあるので、もうへとへとにくたびれ果ててしまいました。
そんなわけでたった1尾しか釣れなくても十分に満足できる大物釣りへと移行していったのですが、今でもキンメやヤリイカ、アカイカなどを釣るときには、我が家で食べきれる以上に釣ってしまい、カミさんの逆鱗に触れてしょんぼりすることになるのです。
数釣りをしてしまったときや大物を釣ったときなど、持て余した魚はすべてミンチにし、薩摩揚げにして冷凍保存しています。そのため、ハタやクエ、ヒラメやマダイといった、通常ではあまりお目にかかれない魚の薩摩揚げが出来上がってしまいます。でもこの薩摩揚げは、当時まだ3歳にもならなかった2人の孫娘が、ジイタンのお魚といって喜んでくれますし、尾頭付きのマダイやメバルなどの塩焼きも大好評。旨い魚を釣って食べさせようと懸命な努力をしているのです。
そうはいうものの、ムロアジとかアカイサキなど、いくらでも釣れてしまう魚には閉口します。刺身、唐揚げ、味噌タタキといったところがこの魚の料理法です。鮮度の良いものをそのくらい食べる分にはよいのですが、ほかの魚が釣れなかったとしてもせいぜい数尾といったところが限度でしょう。手間をかけて薩摩揚げを作っても、どうもほかの魚より格落ちで不人気なのです。
やはり旨い魚を食べられるだけ釣り、いちばん美味しい状態で料理して味わうのがタハラッチが推奨する舳流の大物釣りということになると思っております。