海づりガイドのカラーグラビアの取材釣行で、長井の儀兵衛丸の乗合船に乗船しました。連休中ということで、ちょっと早め、5時前に宿に着くと、桑野君はもう到着しています。イカの客は多いのですが、根魚はほとんどいません。村上さんが6時前に到着した時点で、私たち3名だけ。これじゃ取材にならないかもと心配になりましたが、儀兵衛丸のお母さんが、何人かから問い合わせの電話が入っているのでもう少ししたら来ますよと力づけてくれました。
今にも降り出しそうな空模様で、北の風がやや強めに吹いています。熱低が近付いているせいですが、出船には影響なさそう。予言通りやがて乗合客が三々五々やってきて、総勢13名となりました。早く到着した桑野君と村上さんはそれぞれ左舷と右舷のトモに陣取り、田原は村上さんの隣です。
航程15分ほどの230mダチで第1投。底潮が効かず、小さなシロムツやアナゴ、ユメカサゴなどが食っただけ。アカムツの気配はありません。やがてサメが襲来し、投入のたびに食ってくる始末で大騒動。サメばっかり食ってしまい、途方に暮れる釣り人もいました。しばらく続けましたが見通しは暗く、潮が効き出すまで、城ヶ島の西沖を攻めることにしました。波とうねりは思ったよりひどく、たいした距離ではないのですが、潮をかぶってしまいます。
240mダチではやはりシロムツ、ユメカサゴばかり。こちらも潮が効いていないのです。それでもしばらく粘りましたがやはりダメ。もとの荒崎沖に戻りました。
ここで村上さんに待望のアカムツ。あきらめかけていた船頭もほっとした様子です。ところがあとが続きません。田原にも良い雰囲気のアタリが2連発しましたが、ユメカサゴとメダイだけ。とうとう最後の流しになってしまいました。ところがここで大フィーバー。オマツリをしながら上がってきた仕掛けにアカムツが付いていたのです。仲乗りが取り込もうとしましたが、結局ハリからはずれてしまいました。それでも大急ぎでタモを出し、掬い上げましたがどちらの魚か判りません。船頭の裁定で無事に決着しましたが、この直後、別の釣り人が取り込みにかかったところで、またアカムツがハリからはずれてしまいました。きっと活性が低く、食い込みが甘いのでしょう。今度は先ほどのように簡単には掬えません。何度か潜りかけましたが、船頭は懸命になって船を後進をさせ、仲乗りはタモを持って走り回ります。もうダメかと思ったそのとき、村上さんがタモの枝いっぱいまで深く突っ込んでみごと掬いあげ、釣り人からは最大級のお礼を言われていました。そしてフィナーレは桑野君。船中4尾目のアカムツを、最後の土壇場で釣り上げ、この日の竿頭に輝きました。最後まであきらめずに釣り続けると、良いことが訪れるのですね。
儀兵衛丸はこの幻の魚、アカムツの乗合船を出している貴重な船宿です。釣期はもう1ヶ月あるかどうか。このチャンスにぜひチャレンジするようおすすめします。