小名浜沖のマダラ激釣!2002.11.17

 16日の朝、予想に反して常磐沖は北東風が強めに吹いているようです。伊豆海域ですと北東風は釣りに最適な風なのですが、こちらでは最悪。心配になりましたが、17日の予想気圧配置は移動性高気圧にズッポリと覆われる感じ。予定通り、マダラに出船することができそうです。

 マダラ釣り・昇辰丸

 夕方、現地入りすると、やはり北の空気は冷え冷えとして身体に突き刺さりそうです。そよりと吹くその風を受けながら、今夜の夕食を摂ろうと思っていた割烹一平の姉妹店のおでんの一平に向かいます。おでんといってもおでんだけを食べさせるわけではなく、地の魚料理がめちゃめちゃイケてるうえにお値段もリーズナブルといううれしいお店。案の定1階は満杯で、2階の4畳半へと通されます。この店の周りは真っ暗な住宅街ですが、妖しい光が点々と灯っています。そのほとんどがソープランド。なんでこんなところにソープがあるのかというと、ここ小名浜は昔からの有名な遠洋漁船の基地で、各地からの遠征漁船もやってきます。そのため船乗りにはつきものの遊郭があり、この店の造りも階段トントン4畳半の名残で、周囲に遊び場があるというわけです。
 メヒカリの刺身とサンマのサンガ焼きを食べたいというので注文すると、さすがにこれはありません。ただしサンガ焼きというのは房総での呼び名。この地ではポッポ焼きです。もちろんメヒカリの刺身なんていうのは、よほどタイミングが良くなければ口にできません。唐揚げと天ぷらを頼みます。初めてこれを食べた人はとろけるような魔味にびっくり。サンマの刺身とつみれ汁、そして塩焼きに舌鼓を打ち、身体中がポカポカ暖まって宿に戻りました。ちなみにおでんの一平は名前が長谷川に変わっていました。

時合いが訪れたら4連隊が何度もフィーバー。 絶好調の垂石さんは30本以上をGET!
マダラ4連隊 爆釣マダラ垂石

 翌朝、昇辰丸に乗り込んで北上。2時間ほど走った210mダチで投入。初っ端からガンガン小気味よいマダラのアタリが炸裂します。でも昨日の船中60本という釣果に比べると、そんな景気の良い釣況ではありません。潮が効いていないから仕方がないのかも知れませんが、それでも散発的にアタるのですから、実際はかなりいけてるということかも知れません。やはりその読みは正解でした。もう少し北東の240mダチに移動して潮が効いてくるとアタリが炸裂。トモに陣取った垂石さんと村上さんは3連釣、4連釣と、鈴なりでマダラを釣り上げます。右舷ミヨシだけが死角になっている感じでしたが、船頭が懸命に船を引っ張って何とか型を上げさせてくれました。もちろんボウズは皆無。それどころか、初めてのマダラ釣りでツ抜けを見せる人も出現し、何度も通っているゲストの瀧島さんなど、こんな良い釣りは初めてだと手放しで喜んでいました。
 タハラッチも効率良い釣りを展開します。というのはマダラに関しては男の子を釣るのが狙い。女の子を釣るのはイクラが目当てのアキアジだけでたくさんです。そのほかの魚も真子より白子のほうが好きですから、マダイでも、美しい色彩に包まれたメスより真っ黒にすすけたオスを狙うのです。そんなうまい白子の名かでも極めつけがマダラの白子。タチとかキクなどと呼ばれ、アン肝と並んで絶賛される究極のグルメなのです。


 タハラッチが釣った7尾のマダラのうち、オスばかりが5尾。最大は6.3kgもあり、パンパンに張りつめたお腹はやわらかです。尻の穴から小指を突っ込んでグリッと回し、中の皮を破って腹を押すと白子の端っこがニュッとでてきます。隣の洋子さんも釣ったタラの尻に、やたらと指を突っ込んでは、アー、またメスだわとガックリ。数は釣るのですが皆さんと同じようにメスのほうがたくさん釣れてきます。というのも、この時季になるとどういうわけかメスの数が増えてくるそうで、船頭もオスばっかり釣っているタハラッチの釣り方を見つめて首をひねっていました。
 タハラッチのタックルはブルバイパー深海Tとタナコンブル750。道糸は8号500mです。途中、何物かに道糸を切断され、100mほど失いました。一昨年の垂石さんのようにカジキの歯が当たったのかも知れませんが、一瞬の間に負荷がなくなってしまいました。それでも十分なラインキャパがあるので余裕綽々。パワフルな小型電動リールですから、安心して釣りに臨めます。大物釣り師がいっぱいですからロッドはブルよりキングバイパーを使う人が目立ち、穂先の柔らかさがマダラの食い気を誘っているようで、村上さんや洋子さんはたくさんのアタリを確実に取り込んでいました。
 後半はマダラと同サイズのスケソウダラもたくさん混じるようになりましたが、7割以上はマダラ。思ったように天候は急激に回復して絶好の凪ぎになり、一時は防寒を脱ぐほどのなごやかさ。新入会員の秋山さん、もう一人の作田さんも大満足のマダラ釣りを楽しんでくださったようです。

マダラ特エサ

 特筆したいのがジェリーベイトのホワイトボディにピンクテール。タコベイトなどは付けないほうが良いとのことでしたが、あまりの爆釣にちょっといたずらしてみたところ、これにこの日最大の6.3kgの男の子が食らい付いてきたのです。その後もこの仕掛けに連釣。以前、オニカサゴやアカハタにも威力を発揮しましたが、マダラにも効果的なことが実証されたと思います。


マダラ料理
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