キンメの仕掛けの作り方

伊豆沖のキンメの仕掛けの一例です。参考にして工夫してください。
遊漁の場合、ハリ数は20本以内に制限されていて、ハリ数が少なくてもサンマの刺しエサは使えません。

仕掛け作りの準備

キンメの仕掛けを作るにはいろいろな方法があります。
ハリスにハリを結び、親子サルカンを介して枝バリをミキ糸に接続。
先糸と捨て糸を結んで、掛け枠に巻き付けるのがごく一般的な作り方です。
ハリを結んだハリスを、100本単位で売っているケースもありますし、適当な長さに切断したカットハリスも販売されています。
素材を手配しましょう。
タハラッチのおすすめは、下田漁具のカットハリス。
キンメでしたらナイロンの14号か16号の1mで良いでしょう。1,000本単位です。
多いように思えるかもしれませんが、20本バリの仕掛けを1日8投入するのが普通ですから、約6日分しかありません。
ハリはムツの18〜20号。100〜200本単位の梱包がお買い得です。

ミキ糸はナイロンの30号。スプール巻きは巻き癖が強いので扱いにくいでしょう。
500mか1000mのカセ巻きがおすすめですが、カセ巻きの場合はカセ繰り器が不可欠です。
またハリス同様、ミキ糸もカットされたものが購入できます。
30号1.5m、1000本の梱包ががおすすめで、先糸はミキ糸を代用できます。
捨て糸はナイロン12〜14号を5mくらい。
根掛かりさせて、巻き上げ時にはオモリを切って捨てるところから、捨て糸、捨てオモリと呼ばれています。
そのため、安価なうえ、錆で消滅しやすい鉄筋を使用しているのです。
スムーズな根起こしができるよう、捨て糸の途中には結びコブを結んでおきます。
なおキンメの仕掛けの場合、道糸を接続する先糸の端や、オモリを接続する捨て糸の端は、大きめのチチワで十分です。

親子サルカンはクレン型の1/0×1サイズ。これも100個入りの梱包がお買い得です。

道糸の端はチチワにし、7号以上のトローリングスナップを取り付けておくと、仕掛けの交換がスムーズです。
ちなみに道糸はPE12号1400mが標準。
浅いところは300m以浅で深場でもせいぜい600mラインまでを攻めますが、
潮の早いときには芯が見えるまで出切ってしまうこともありますから、十分に巻いておいてください。

キンメの仕掛け作りに欠かせないのが仕掛けを巻く掛け枠です。
キンメだけでしたら、ミサキ製の50cmタイプが携行にも便利です。
ベニアコウまで視野に入れているのでしたら、65cmタイプのほうが良いでしょう。

このほか仕掛け作りにはマグネット板があると便利ですよ。

なお、仕掛けを作るが面倒だという方には、1000本連結のサガリと呼ばれる仕掛けもあります。
必要なハリ数だけ掛け枠に巻き、捨て糸を結べばOK。下田漁具で販売しています。

キンメの仕掛け作りの手順

カットハリスでハリを結びます。
1組20本バリが標準ですから、手がすいた時に結んでおき、20本ずつ束ねておきましょう。
内掛け結び、外掛け結びなど、得意な結び方でOKですが、
カットハリスの場合はこの図の深海内掛け結びが簡単ですよ。
慣れてくれば、TVを見ながらでもハリが結べます。練習してください。

サルカンの結び

ミキ糸、先糸、ハリス、捨て糸と、親子サルカンの接続は、深海サルカン結びが簡単です。
掛け枠に巻き付けながら結ぶのにも適しています。
結びめにたるみが出ないよう、しっかり締め付けてください。
とくにミキ糸は太いので念を入れてください。
目打ちなどをサルカンの環に通して、もう一方の手には軍手などをはめてしっかり締めこむようお勧めします。
仕掛けの結び目がほどけたりして、せっかく鈴なりで食ったキンメを失うのは心が痛みますから・・・。

◎掛け枠への巻き方

★ミヨシ打ち順巻き

20本バリ、ミヨシから打つ場合の掛け枠への巻き方を紹介します。
順巻きと綾掛けがありますので、まずは順巻きから作ってみましょう。
作業台、普通の机でOKですが、広めのスペースがあると楽です。

机の上にマグネット板を乗せて、あらかじめハリスで結んでおいたハリを端から順に並べます。
次は親子サルカンにミキ糸を繋ぎます。
ミサキ製の50cm枠の場合、1ヒロ=150cmのカット幹糸を5cmほど詰めて用意しておくと、
掛け枠に巻き込んだとき、たるみが少ないので楽かと思います。
完成した時、一番下になる親子サルカンの親の環(一番大きな環です)にミキ糸を結びます。
続いてハリスの端を孫環(一番小さな環で、親の環の付け根につながっています)に結び、
ハリはマグネット板の一番端に置きます。
いずれも深海サルカン結びで結ぶとスムーズです。
次に、ミキ糸の端を下から2番目のサルカンの子の環(親の環の反対側にある2番目の大きさの環です)に接続し、
まだ何も結んでいない親の環に目打ちを刺し、
指先を切って作業しやすくした軍手をはめて、結び目をしっかり締めこみます。
こうして順次、一番上の親子サルカンまでハリスと幹糸を繋ぎ、
ハリはマグネット板の上に下から順に並べておきます。
完成した時、一番下になるサルカンには捨て糸を結びますが、
この糸は幹糸と比べると3倍以上も長いので、掛け枠に巻き込んだ最後に接続すると糸絡みが防げます。

これで先糸と捨て糸以外の仕掛けは完成です。
もちろん、あらかじめミキ糸だけ連結しておいて、
順次、ハリスを結びながら掛け枠に巻き込んでいってもかまいません。

仕掛けに組み立てが出来ましたら、いよいよ掛け枠に巻き付けていきます。

先糸の端を10cmほどで折り返し、8の字結びでチチワを作ります。
このサイズにこだわる必要はありませんが、小さすぎると、スナップで道糸に接続するとき、
手間取ることがありますので、注意してください。
このチチワに輪ゴムをかけます。
箱掛け、ループ・ツー・ループでいいでしょう
ごく普通の輪ゴムでOKです。
この輪ゴムを掛け枠の端に引っ掛けます。

そのまま先糸を引き上げて糸掛けAで折り返します。
次に一番上になるハリをバーに引っ掛けます。
ハリの向きは、ミヨシから投入する場合と、トモからとでは逆になりますので、
図を参照しながら正しい向きに掛けてください。
ハリを掛けたら先糸とハリスを合わせて引き下げ、糸掛けBで折り返します。
糸をたるませないように引き上げて、親子サルカンのところまで達したら、
先糸の端を親子サルカンより1cmほど長めに切断します。
そしてこの端を、親子サルカンの親環に結ぶのです。
一番上の親子サルカンの親環はまだ、何も結んでいないはずですから
結ぶことができますね。

この親子サルカンから先は、ミキ糸になりますから
これをAに引っ掛けて折り返します。
このとき、ハリスはたるまないよう、軽く締めるように引っ張りながら巻き付けます。
続いてそのミキ糸を引き下げて、Bで折り返し、ふたたびAにかけて折り返します。
ここで2番目のハリをバーに掛け、最初と同じようにミキ糸とハリスを合わせて引き下げ、
Bで折り返します。

この後は順次同じように巻き付けていきましょう。
気を付けるのは、ハリスは張り気味にし、ミキ糸はたるませてもよいということ。
金属製の掛け枠の場合は糸掛けのAとBが巻き付けた仕掛けに引っ張られて、
間隔が狭まることがほとんどありませんが、
木の枠を使っているときは、かなり大幅に狭まってしまいます。
こうなると、仕掛けを巻き付けているうちにだんだん、
ミキ糸のたるみが大きくなってしまいます。
きっちり巻きつけたい気持ちはわかりますが、
せっかく巻きつけた仕掛けのハリが絡んでしまっては元も子もありません。
この点にはくれぐれも注意してください。

こうして20本目のハリスを巻き付けたら、最後の親子サルカンに捨て糸を繋ぎます。
捨て糸の端も先糸と同じように8の字結びのチチワにします。
このチチワに鉄筋オモリを箱掛けで繋ぎますので、
チチワは大きめにしましょう。
そして輪ゴムをかけて糸掛けに引っ掛けておきます。
さらにもう一つ、糸掛けに輪ゴムをかけて木枠に回し、
反対側から同じ糸掛けに引っ掛けておくと、
仕掛けがバラけるのを防ぐことができます。

お疲れさまでした。
これで1組が完成です。

★ミヨシ打ち綾掛け

上記の順巻きは、掛け枠の寸法に仕掛けを合わせた場合の巻き方です。
仕掛けを使い回す場合などではうまくいかないことがありますので、
そのときは綾掛けで対処してください。
回収した仕掛けを船上で巻き直して、もう一度投入する時には威力を発揮しますし、
サガリを巻き付けるときもこの方法がスムーズかもしれません。

寸法にはあまりこだわりませんので、先糸の長さは適当でかまいません。
チチワの先に輪ゴムを繋ぎ、掛け枠の端に引っ掛けるのは順巻きと同じです。
上記解説図を参照しながら、チャレンジしてください。

必要に応じて適宜、補てんしていきます。
不明な点は問い合わせてください。
内容によってはすべてをお答えすることはできないかもしれませんが、
できるだけ対応させていただくつもりです。
会員の方にはもちろんすべてお答えしますよ。


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