神津島のシマアジ2002.11.5up

シマアジファイト   シマアジ取り込み


 11月2日から3日にかけて、下田送迎の光漁丸で1泊2日の特別例会を実施しました。
 文化の日の連休にもかかわらず、西高東低の気圧配置で強烈な季節風が吹きまくっています。通常なら当然出船を見合わせるのですが、島で1泊することと、現在シマアジが絶好調のサク根は島の東部にあり、西ッ気の風なら裏側になるため、釣りは何とかできそうという状況。船頭とも協議したすえ、出船を決意しました。
 下田から神津島までの途中は高い波に見舞われましたが、さすが近海許可船。何の心配もなく乗り切り、70歳代のレディースを含めた15名全員が無事に島に到着しました。
 仕度を整えてサク根に向かうと、やはり絶好のシマアジポイントは舳会のためだけの貸し切りとなっています。仕掛けは片テン吹き流しで、8号2ヒロ半。16号太地ムツにウィリースキンを巻いたシマアジバケを2〜4本結び、ジェットビシBig100号を吊り下げます。コマセはオキアミとアミのミックス。刺しエサは幅5mm、長さ2.5cmの削ぎ切りにしたイカのタンザク。30〜40mダチの海底にコマセカゴを沈め、コマセを海底にそっと置くように振りだし、ハリは這わせます。
 シマアジはあの長く伸びる口で海底の砂ごとエサをついばみます。このポイントはほとんど根掛かりをしませんから、タナ切りをするより、海底そのものを直撃する方が効果的なのです。
 この作戦がみごと的中。シマアジのアタリが炸裂しました。でもせっかくのアタリに喜んだあまり、ほとんどの人がアワセをくれてしまいます。この底擦り釣法ではちょっとでも強いアワセは禁物。モゾッとかコツッとか、微かなアタリを感知したら腕を伸ばして竿先をスウッと持ち上げる聴きアワセというテクニックを駆使します。
 これが巧くできれば憧れのシマアジと対面できるのですが、激しい風のためさすがの光漁丸も大きく揺れています。バラシの連続で、悔しそうな叫び声が聞こえてきますが、タハラッチは最初の2投でそれぞれアタリを取り、どちらも2kg級の食べごろ、釣りごろのシマアジをゲットしてパーフェクトなシマアジ底擦り釣法を堪能しました。
 宮崎さんは置き竿釣法に徹してやはり絶好調。シマアジ7尾に小マサまで釣り上げましたが、彼は直前にエントリーした15人目のメンバー。前回、カモシ釣りの例会でキャンセルでできた12人目にエントリーした源さん同様、無欲の勝利を手中に収めて大喜びでした。
 終日、アタリが連発しましたが、やはり皆さん、どうしてもアワセてしまいます。そおっとやさしく聞き合わせれば取り込み率はグンと向上するはずなのですが、強い引きに見舞われると反射的に締め上げてしまうようです。シマアジの口は破れやすいとはいうものの、分厚い唇にしっかり掛かれば何ということはないのです。2枚の土産を確保したタハラッチは船中を巡ってアドバイスをしましたが、なかなかコツを呑み込めない人もいます。それでも魚影が濃いため、そして貸し切りの海だったため、次々とシマアジが取り込まれます。
 これに小マサ、ワラサ、マダイ、ヤイト、ヒラソウダなどが混じり、変な格好のホウボウの仲間、エイ、ハリセンボン、イシガキフグなど、変わった魚も登場。15名で44枚のシマアジを取り込むことができました。
 結局ボウズは2名だけで竿頭は7尾が2名。2日目の釣りに期待をかけ、島の温泉にのんびり浸かって、脂の乗ったシマアジの刺身やヒラマサ、ヤイトなどのヅケで旨い夕食を楽しみました。
 翌日はほかの船も大勢やってきました。でも前日に比べて水温が2℃も急降下し、澄み切った水色は冬の海を思わせるほど。打って変わった海象に戸惑い、シマアジは船中わずか2尾だけとう絶不調。天国と地獄を味わった釣況でしたが、遠く新雪をいただいた富士山を望みながら、厳しい自然のもてなしを思う存分堪能してきました。

シマアジ料理
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