アカカマスの刺身と焙り2018.2.27

カマスの刺身なんて言ったら、
普通の人は何を言っているんだという顔をする。
水っぽいカマスの身は刺身にはあまり馴染まない。
これは水カマス、
そう、ヤマトカマスのことなのである。
アカカマスは脂カマスといわれるくらいだから、
コクがある。
上品で深い味わいがにじんでくるのだ。
ところがこの魚、
群れの移動の速さとともに、身の劣化も早い。
いずれにしても足が早いのだ。

カマスは群れを捉えて釣るので、数がまとまる。
たくさんさばかなければならないため、
ウロコを引いたら頭を落としてしまう。
本当はもったいないのだが、
こんな時は仕方がないので、頭は捨ててしまうのである。
それでも食べる量はたっぷりあるから
心配は無用だ。

いわゆるズ頭落としした身を二枚におろす。
タハラッチは骨付きの身を干物にすることが多い。
もう片方の身は腹骨を剥き、小骨も取り除く。
カマスの骨は硬いので、
小骨だからといって手を抜かないほうが良い。
刺身の場合は皮を引く。
これを切り分ければ完成だ。

皮を引かずに刺身切りして皿に盛り、
バナーで焙るのも旨い。
皮の焦げた香りと、身の旨みとが絶妙の組み合わせ。
最近は写真のように、
縦に飾り包丁を入れてから刺身に切ってから焙っている。
見た目が良いので、
味も引き立っているように思える。

刺身で食べるだけでは持て余してしまうことも少なくない。
そんな時は多少保存できる酢〆にしよう。
〆サバならぬ〆カマスである。


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釣魚料理・舳亭
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